『えんとつ町のプペル』の無料公開とその反応について思った事

キングコング西野さんが絵本作家として活動をしていて、最近になって『えんとつ町のプペル』と言う絵本を無料で公開する事になりました。
理由は「絵本が高すぎて買えない!」という小学生の意見を聞いて、それならWebで無料で読んでもらおうという心意気からでした。

私はファンタジーの話しが好きだし、少年が登場するジュブナイルが好きなのでとっても楽しく読めました。
以下にリンクをしておきます。絵も話しもとても素敵でした。
えんとつ町のプペルの無料公開

そうしたら、こんな結果に・・・

西野さんは、なんか行動を起こすたびにいろいろ周囲から言われる。
今回、絵本を無料公開するにあたってこんなことを言われている。

  • 無料で公開すると子どもが時間と労力を費やしたものに対価を払う意識がなくなる懸念がある
  • 他のクリエーターも無料で提供するのを要求される
  • きれい事過ぎる(美談にしようとしている)
  • 人を見下している

なんか、かわいそうになってくるのは私だけでは無いと思う。
西野さんが今回絵本を無料で公開と決めたのは自分だけで、他のクリエーターに無料で提供するように呼びかけたわけではない。
なのに、なぜ「他のクリエーターも無料にしなければならなくなる」という意見が飛び出すのだろうか?

西野さんの作品は西野さんの物(他の方と共同で作っているかもしれないですが)、それを無料で提供する事に罪は無いと思うんですよね。
もし買い手が、「キンコン西野が無料にしてるんだから、お前もやれ!」って言われたら・・・
「いや、わたしの作品はお金を頂きます」でいいと思うんですよ。
自信を持って作品を作っているなら、それで自信を持って作品を売ればいいことなのです。

あと、子どもがお金を払う意識がなくなるという意見ですが、それはありません。
例えば、ラジオから音楽が流れてきて、その音楽を聴いてCDが欲しくなることがありませんか?
Youtubeでたまたま見たお笑い芸人さんの動画をみて、その芸人さんのファンなりライブに行くことがありませんか?

世の中には、昔から無料の物はいくらでもあるのです。
もし、今回の無料公開で子どもがお金を払うことをしなくなると言うなら、私もあなたもお金を支払わないのが当然というようになっているはず。
私はそうなっていません。

無料公開の意味ってなあに?

経営コンサルタントの佐藤義典さんという方の書いた、「売れる会社のすごい仕組」というマーケティングの本があり、その中に商品を購入してもらうまでの流れ「プロダクトフロー」という考え方が載っています。

まず、商品やサービスの段階を3つ用意する

  • 「あげる商品」・・・無料で提供できるモノ。
    例)店の外でコーヒーの試飲
  • 「売れる商品」・・・単価が安く買いやすいが、余り利益にならないモノ。
    例)店内でコーヒーを購入
  • 「売りたい商品」・・・単価が高く、利益になり一番売りたいモノ。
    例)コーヒーを気に入ったので、家庭でも飲むために豆を購入

そして、いっぺんに「売りたい商品」を売るのでは無く、「あげる商品」「売れる商品」と、ひとつずつ購入の階段を登ってもらう。
「あげる商品」で、ちょっと商品を試し興味を持ってもらい・・・
「売れる商品」で、安めの商品を購入しさらにしっかり体験をしてもらう
商品の良さを知ってもらってファンになったら、さらに上の良い製品やサービス「売りたい商品」を購入してもらう。

なので、今回、西野さんがやったことはマーケティングでは、ごく普通のことです。
無料で作品を公開して、みんなに知ってもらい、次の作品の購入につなげる・・・そんな戦略かもしれないじゃないかな?
ちなみに私は、絵本を購入します。

あなたの新しい一歩のお手伝いをします
岩間 崇

参考書籍

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